シリーズ:新型コロナウィルス -発生源の推定と中国政府の動き- ①

【いつから「ヤバイ」と感じたのか?】

正直に告白します。

1月の前半の段階では私自身が新型コロナウイルスの拡散が、これほどひどくなるとまでは認識していませんでした。

ただ、中国から入ってくる情報と、実際に中国政府が公表している情報に大きな差があったため、もしかしたら実際は公表されているよりもひどい状況かもしれないとは思っていました。

とはいうものの、中国の情報に関しては公表されているものと実際の状況が乖離することは多々あるため、それほど強く気に留めていたわけではありません。

本格的に情報収集に乗り出したのは、1月22日の夜からでした。

この日、WHOの会合で新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が保留されました。
このことに強い違和感を感じていたところ、中国から武漢市の移動制限を行うという話が飛び込んできました。

WHOが緊急事態の決定を保留しながらも、新型コロナウイルスの拡散の中心地と考えられている武漢市では移動制限されるいう、情報の明らかな矛盾が発生している事になります。

この時点で何か大きな問題を中国政府が隠蔽している可能性があるのでは、と気がつき慌てて情報収集に入りました。

その後1月23日、24日で、現地から大量に情報が集まり始めました。

東京都(約1400万人)に匹敵する人口を抱える武漢市(約1100万人)を封鎖するという行為は、中国においてもかなりセンセーショナルなものであり、当時武漢市内ではパニックに近い動きがあったことが報告の中に大量に含まれていました。

情報の中で重要と考えられるものは、潜伏期間にも感染をする、感染しても発症 しない人がいる、潜伏期間は極めて長い点でした。

この新型コロナウイルス特徴は、体温測定や症状の自己申告といった手段によって感染者を見分けることが出来ないことを指しています。
言い換えるなら、今回の新型コロナウイルスは、一般的な水際作戦によって封じ込めることが不可能であるということを確信しました。
(この推定については次回以降に解説します)

そのために1月25日朝の時点で下記のようなツイートを投稿しています。

フランスとオーストラリアでも感染者確認。もう世界中に拡散していると言っていいレベルだと思う。欧州は無事だからそれほどたいしたことないと思ってる人は、覚悟した方がいいよ。感染が移民、難民に拡がったらどういうことになるかを。
https://twitter.com/FumiHawk/status/1220888991840366592

1月25日には、扱いに困るレベルで重要な情報が飛び込んできました。
実際の新型コロナウイルスの発生源は、中国政府やマスメディアが報じている武漢の市場ではなく、武漢大学の実験室絡みであるという情報でした。

 

 

【新型コロナウイルス:最も蓋然性の高い拡散元の推定】

武漢大学には中国で唯一のBSL4研究施設『中国科学院武漢国家生物安全実験室(武漢バイオセーフティーレベル4実験室)』があります。

この施設は2015年に完成、2018年から運用を開始しています。
施設の設計自体はフランスで、設計のミスによる流出は考えにくいと推定されます。
施工も……国家の威信が係った施設ですから、たぶん大丈夫。
(国家のメンツがかかってるので、経験上中国の施工でも手抜きの可能性は低いと考えられます)

最初に一報を聞いた時、中国のトップエリートが集まる研究施設で漏洩という可能性は現実的ではなかったのですが、その後に入ってきた状況を受け、なるほどと納得せざるを得ませんでした。

それは、研究室で使用した廃棄物、医療廃棄物、研究に使用した実験生物の処理が不適切で、施設からの廃棄物処理を委託された業者(その中の個人の可能性も有る)が、廃棄物を洗浄して販売したり、廃棄される動物を、家畜等の餌として横流ししていたという話でした。

その件に関しては複数ルートで調査しつつ、1月26日朝の時点で下記のツイートを投稿しました。

(あー、大陸の方から「武漢大学実験室の廃棄物」とかいうメールが来た……ワロスワロス
https://twitter.com/FumiHawk/status/1221089102935683072

研究施設の所長や、研究者、施設の幹部が研究動物の横流しを行った等々の情報が未確認で流れていましたが、リベートの金額があまりに安すぎることからこれらの情報はほぼ間違いなく誤情報であると言えます。

上記のような地位の人は、実行したことがばれた時に失うものと、横流しで入ってくるリターンがあまりにもアンバランスだからです。

また、この研究施設で人工的に生物兵器を開発していたという陰謀説が流れていますが、これも可能性は低いと考えられます。

わざわざ困難な新ウィルス開発しなくても、まだ世界中に未知の危険なウィルスは多数存在しているからです。

研究施設では、人工的に生物兵器としてのウイルスを発生させたていたのではなく、あくまで通常の研究として未知のウィルスを研究していたと考えられます。

感染症の研究をしている施設で、これまで流行していない新型ウイルスを収集研究し、場合によっては遺伝子の突然変異を起こす環境を作って培養することは、ある意味施設の本来の使い方であります。

中国の組織運営は大きく分けて4層から成っています。
一番トップは、中国の中でもトップクラスのエリート研究者が集まった部分です。

その次が、施設の運営幹部です。
この層は中央からの出向や、地方自治体の幹部等の政治的なエリートが占めています。

三番目の層は実務層です。
実際の施設運営に携わる人々で、それほど給料が高くない一般のブルーカラーと考えていていいでしょう。

そして最後に外部業者の存在があります。

外部業者は日本と同じく、委託を受けて清掃や備品の補充、廃棄物の処理などを行うそれぞれの業者のことです。

この中で3層と4層は特にエリートというわけではなく所得もそれほど飛び抜けて高いわけではありません。

当然ですがこれらの層に、横流しや贈収賄等の問題が発生する事が多いのです。

今回の件も、廃棄物の処理にかかる業者もしくは一部個人による、廃棄物の不適切処理が、結果として問題の発端となった可能性が考えられます。

武漢の市場は、元々コウモリ、蛇、亀等様々な動植物を販売しています。
そしてそれらの仕入先は、だいたい決まっています。

コウモリが売られているといっても、ある日突然アフリカや南米から輸入されてくるわけではなく、中国の森林の奥で捕まえたものが市場に届きます。

その商行為は何十年も行われており、コウモリや蛇、亀等を捕まえる場所もそれほど変るわけではありません。
それにもかかわらず、突如コウモリから新しいウイルスが検出されることは極めて珍しいと言えます。

しかし珍しいウイルスを研究していた施設から出た廃棄物の処理が適切ではなく、廃棄物の一部が動物の餌等の形で武漢の市場に入り込み、ウィルスに汚染された肉等を餌にした動物が販売されていたら、これまでの情報がほぼ過不足無く合致する事になります。
これまで公表されてきている感染源の推定に比べれば、はるかに蓋然性が高いと考えます。

ここまで述べたような、新型コロナウイルスの特性や発生源の推定をもとに感染の拡大や対処策を分析、検討すると、かなり早い段階、具体的に言えば1月25日位には発症している人をスクリーニングする方法で水際作戦を行うことは不可能であるという結論に達します。

また潜伏期間が長いことから、新型コロナウイルスの死亡者が武漢市内で発生するよりもはるか以前に、中国人や武漢滞在の外国人を媒介として、世界中にウイルスが拡散されていただろうということは想像に難くなく、この問題が中国やアジアの問題ではなく、世界中の共通した問題になるであろうということは、これまで述べた前提を考えれば容易に想像できました。

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