2022参院選比例「表現規制反対派」は最初から劣勢だった件

どうも表現規制反対派が今回劣勢の状態であることについて認識が共有化されていないようなので記事にすることにしました。

表現規制反対派の各位に以前裏切られた経験があり、もう二度と関わるものかと思ったのですが、孤軍奮闘している赤松先生を見殺しにすることはできないと思い筆を取りました。

※なおこの記事は2022年の参院選全国比例のみを対象としています。
選挙区選挙には各選挙区ごとに全国比例とは全く異なる選挙構造があるので、この部分に関する解説は割愛します。

表現規制反対派が今回の選挙で苦戦している原因は主に次の三つになります。。

①選挙というものの本質が相対的な票取りゲームであるということを十分に認識していない

②前回山田議員が得票した「54万票」を過大評価している

③今回、表現規制反対を積極的に訴えるている候補者の数が非常に多い

まずについてですが、国会における政治の本質は多数決です。

つまり圧倒的な得票で勝ち上がった一人の議員よりも、そこそこの得票で勝ち上がってきた10人の議員の方が集団としては強い力を持つということになります。

ですので表現規制反対を訴えるのであれば、表現規制反対を訴える票を圧倒的に集めた一人の当選者よりも、当落ラインぎりぎりでもいいから表現規制反対を訴えて当選した候補者が複数名いた方が、表現規制反対という目的を達成するためには圧倒的に有利であるとことは言うまでもありません。

この前提の上で、選挙の当選ラインの得票数よりも1票でも多く獲得することが「選挙ゲーム」の勝利条件に他なりません。

よって表現規制反対を現実に実行するためには、表現規制反対派の票を取りまとめ、勝てそうな候補に分配する機能が必要になります。

特定の目的達成のためにこのような票の分配機能及び選挙の応援を行う団体が「圧力団体」と言われる組織です。

つまり一人二人を当選させるのではなく、表現規制という大きな力に立ち向かう戦士(議員)を大量に国会に送り込むためには、票の分配機能である圧力団体、それもできるだけ大きな組織が必要になってきます。

この点を踏まえて、過去に私は圧力団体を立ち上げようとしましたが、既存の表現規制反対派の方々から袋叩きにあい諦めざるを得ませんでした。

その後数年経ちますが、表現規制反対の活動界隈において有効な圧力団体を立ち上げようという動きは全くありません。

つまり表現規制反対派は組織だったということではなく、中東やアフリカなどの地域でよく見られるような部族ごとのゲリラが跋扈するような環境と同じになってしまっています。

この状態では大きな勝利を得ることが難しい構造です。

また29万票を投票してくれた反対派の方々を組織化していないため、今回の選挙はゼロから表現規制反対を訴え、投票してくれる人たちを掘り起こす努力をしなければなりません。。

まさに焼畑農業と同じ構図です。

この状態で選挙戦えば、前回選挙からの積み上げを作ることが難しく、毎回ゼロからスタートして苦戦必至のなることは至極当然の結果であると言えます。

に関してですが、前々回の選挙で山田議員が落選したものの29万票を得票したことで、自民党内で「表現規制反対は票になる」この認識が持たれたのは間違いありません。

自民党の候補として選挙を戦った前回は、表現規制反対+自民党候補としての得票で54万票でした。

しかしこの54万票の1/3程度はあくまでも自民党参院選比例候補としての票であり、前々回の選挙を考えると表現規制反対派の票は30~35万票程度で、この票は山田議員がコントロールできる類の票ではありません。

仮に山田議員がこの票をコントロールできるのであれば、山田議員が応援する赤松先生は山田議員の得票で余裕の当選を果たすでしょう。

しかし表現規制反対票は、前回の参院選では表現規制反対を強く訴える候補者がほぼ山田議員一人だったのに対し、多数の候補者が立候補しているために多くの候補者に分散してしまいます。

山田議員のコントロールがきかないという時点で、山田議員が応援する赤松先生の選挙は最初の段階から多くの人が思うほど余裕という状況ではなかったといえます。

この点を踏まえた上で、赤松先生の陣営が落選するとは思えない(赤松先生自体の漫画家としての知名度が高いことがあるので)ですが、前回の山田議員の得票を前提として選挙を戦うのは危険なのは言うまでもありません。(支持者が勝利ラインを引き上げることも得策ではありません、当選すればいいんです、当選すれば)

そして、前回参院選で表現規制反対を主軸として訴えた候補は山田議員以外にほぼ存在せず、表現規制反対派の投票は山田議員にほぼ流れていたことを考えると、「そもそも表現規制反対派の集票力はおよそ30~35万票である」と推定されます。

組織化されてない30~35万票という票数は、中堅の圧力団体よりも有効性が低く、我々のように表現規制反対の主張に重きを置いて投票行動を行う人物はかなりのマイノリティであることを自覚しなければなりません。
(多くの有権者は、表現規制が自分に関係する喫緊の問題とは考えてません)

に関してですが、前述の通り表現規制反対票というのはおよそ30~35万票しかなく、現在はこの票をさらに伸ばしていくのにどうすればいいかを考えなければいけない状態です。

最初から劣勢であることは確定していたという風に言い換えることもできます。

今回の参院選比例に立候補している候補者で表現規制反対を強く訴えている候補者は10人程度いらっしゃいます。

30~35万票をベースに、10人の候補者に対して等分に票を按分した場合、一人当たりの得票は3万~3万5千票となります。

前回の参院選比例で、元横浜市長の中田宏氏が落選しましたが、彼の得票は「11万2千票」です。

逆に立憲民主党から参院比例に立候補し最下位当選した須藤元気議員は「7万4千票」で当選しています。

このことから、表現規制反対派議員を誕生させるために必要な票は10万票前後であると推定されます。

現時点で推定される30~35万票の表現規制反対票が綺麗に3分割されて投票されたとしても最大で3人しか反対派議員を生み出すことができません。

圧力団体が存在しているのであればこのような三等分の按分を行うことは可能だったでしょうが、現時点ではそのような動きはありません。

そうなると、山田議員の後押し&知名度のある赤松先生の規制反対票一本かぶりになるのか、上手くバラけて複数人が当選するのか、バラけすぎて大半の表現規制反対派の候補者が落選してしまうのか、極めて不透明な状況になります。

上手くすれば赤松先生と、あと2~3人程度の表現規制反対派議員が誕生する可能性がありますので、そうなることを狙って一人でも多くの投票を掘り起こさねばなりません。

現状では劣勢です。

劣勢であることを認めた上で、組織的な戦略が取れない以上、一人でも多くの賛同者に投票してもらうことが表現規制反対を願う人たちにとって重要になります。

まだ選挙まで残り3日あります。

最悪の事態を回避すべく気を引き締めて応援していきたいと思います。

あなたの一票で世界は変わります。

棄権をするのだけはやめましょう。

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