SHEINの「HELP」タグ問題はデマである

①「HELP」タグ情報とその意味

中国初の格安アパレル「SHIEN」の衣類タグに「HELP」の救援メッセージが印刷されていたという情報がネットで話題となっている。

この情報の前に、SHIENが極めて安価に労働者を使用しているという報道等が合った。
このため過酷な環境で労働者から搾取を行っているのではないかという社会の視線もあり、上記の「HELP」ネタが急速に上方が拡散したようである。

結論から言うと、この情報は勘違いによるデマである。

ネットで検索したタグ写真を掲載する。

洗濯タグに印刷されている問題部分の内容は以下の通り。

NEED YOUR HELP
WASHING WITH
THE SOFT
DETERGENT AT
THE FIRST TIME TO
MAKE THE GOODS
SOFTER.

ちょっと違和感のある英文とはおもうが、翻訳すると以下のような感じになる。

意味を出来るだけ通るように訳すと『柔軟剤で洗濯してください。初回は柔軟剤洗剤を使用すると商品が柔らかくなります。』位と思われる。

「need your help ×× with ~」は「~のように××するには貴方の支援(手伝い)が必要です」になるので、「need your help washing with the soft」の場合だと「柔軟剤(The soft)で洗うのを手伝って欲しい」になる。

たぶん翻訳前の元文章は「柔軟剤(The soft)で洗濯して下さい」と思われる。

この時点で、拡散の元となったツイートを行った人が、誤解か故意かは別として英文の解釈を間違えていたことが分かる。

 

 

②同様の救援メッセージが出た場合に真贋を見極める手がかり

根本的な問題だが、基本的に低価格メーカーでは裁断と縫製を行い、布自体はプリントも含めて全て外注になる。

当然「基本的に同じ内容」のタグは印刷済みの物がSHEIN以外の工場で製造され、納品される。

よってSHEINの工場から、印刷された「HELP」メッセージが発信される可能性はほぼゼロということになる。

一般論だが、この手のタイプの救助要請メッセージはまず最初に「手書きか否か」を確認すると良い。

手書きの場合は、かなり信憑性が高い。
(ただし、手書きの場合は偽造が容易なので「メッセージが本当に製品に同梱されていたものか」「購入者が書き込んだものではないか」を確認する必要がある。)

メッセージが印刷の場合は、ワープロ作成できるような物を除いて基本的に版下作成の必要があるので「組織的な実行が可能か」を検討する。

労働搾取の場合、組織的な活動はほぼ不可能(民間企業内でそんなことやれるなら暴動が起こせる)なので、印刷された救援メッセージはデマの可能性が高い。

国家による弾圧の場合は、工場全体や複数の部門がある程度連携して行動する可能性がある、印刷されたメッセージでも救援メッセージである可能性がある。

ただしこれも文面次第と言うことになってくる。

そもそも衣類のタグの印刷は問題となっているSHEINの工場ではなく、別工場で行われていると考えられ、文面自体も選択方法を指示したものであることから、SHIENの「HELP」タグ騒動は完全にデマ……というより、故意かどうかは別として誤読による拡散が発端と考えられる。

まあ単純にSHEINのタグ英訳が酷すぎるところはいろいろ思うところはある。

なお、この記事はあくまで「SHIENのHELPタグ問題」に関してのものであり、その他の救援メッセージに関しては取り上げていない事を承知おき頂きたい。

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